前立腺特異抗原-PSA
前立腺がんのスクリーニング検査:
この場合PSAはもっとも信頼できません。実際、多くの大学、政府機関はPSAを使ったスクリーニングを推奨していません。なぜならPSAの値が正常の場合でもがんの可能性があり(偽陰性)、偽性の上昇値になった場合、不必要な検査や余計な心配を患者さん、友人、家族に与えることとなります。異常値と見なされる上限値は4ng/ml ですが正常値は年齢や正常前立腺の大きさによります(もちろん大きさはほとんどの人がご存知ないでしょうが)。下記の値は年齢と基準(正常)とされる値です 。
- 40~49歳 2.5ng/ml
- 50~65歳 3.0ng/ml
- 65~70歳 3.5ng/ml
- 70歳以上~ 4.0ng/ml
たとえPSAが正常でも、前立腺がんの可能性はあります。PSAを下げる薬には5α還元 酵素阻害薬などがあります。
これらの薬は男性ホルモンであるテストステロンが活性型へ変換される過程を抑制します。良性(非がん性)の前立腺サイズを小さくし、尿の流れを向上させます。もっともよく処方されるのはデュタステリド(アルボブ)です 。
もしPSAの値が上がったら、特にわずかだった場合はほかの上昇要因を検討してみることも重要です。
多くの一般開業医は他の要因を検討した上で1ヶ月以降経過したときに再検査を行うと思います。もし再検査でも上記の年齢別の値を超えていた場合はがんの可能性もあるので泌尿器科の専門医を紹介してもらいましょう。血中のPSAを上げる要因は下記の通りです。
アボダードは日本ではザガーロという名称です。
- 尿路感染症
- 最近の前立腺細胞診
- 良性の前立腺肥大
- 尿道カテーテルの挿入(尿を排泄する管)
- 前立腺または膀胱の手術
- 長時間のサイクリング
- 直近の射精(6時間以内)
- 最近の直腸検査
がんと診断された男性のモニタリング
PSAの最も有効的な役割は、根治治療などの医療行為に対する反応をモニターするということです。根治治療にはホルモン療法、手術、放射線治療、小線源治療、高密度焦点超音波療法の他に監視療法や経過観察などのもっと保守的な治療も含まれています。
監視療法が行われている場合、PSAの上昇率や速度は単一の値よりも重要なものとなります。この上昇率は一般的にPSA倍加時間(PSAdt)として知られています。
.PSAdtが短くなった場合には前立腺がんが早いペースで成長している可能性があり、長くなった場合には安心できる要素となりますが、覚えていなければならないのは上記で述べたように他の要因がPSAの増加または減少に影響することです。
なにが安心できるPSAで警戒すべきPSAなのか、鉄則はありませんが一般的にPSAdtが10ヶ月以内の場合は成長方向にあり2年以上になると成長はとても遅くなると言われています。
付録(バックグラウンド)
PSAのその他のテスト:
遊離型PSA対タンパク結合型PSA
PSAの血中での存在形態は二つあり、遊離型PSAとタンパク質結合型PSAです。複数の研究室では、実際の値と遊離型と結合型の比率を示しています。上記で述べたように、良性の状態でPSAが上がる場合は遊離型が多いのに比べがんの場合には結合型が増えます。従って、より比率が高い(より遊離型が多い)場合には良性(がんでない)の可能性が高くなります。
PCA3スコア
現在、前立腺がんと関連のある遺伝子産物が尿に含まれているのかどうかを判断する新しい遺伝子検査が行われています。PSAレベルが低い場合や、またはPSA上昇ががんによるものか炎症によるものか疑いがある場合に有効です。この検査は広く行われているものではなく、日本では限られた医療機関のみで行うことができます。経直腸的に前立腺をマッサージが行われ、採取された尿は検査にだされます。結果は下記の表にパーセンテージで示してあります。
PCA3 score |
Probability of Cancer |
<5 |
14% |
5 – 19 |
26% |
20 – 34 |
37% |
PCA3 score |
Probability of Cancer |
35 – 49 |
47% |
50 – 100 |
55%
|
>100 |
78% |
超高感度PSA
ごく低いレベルのPSAのレベル測ることは、前立腺摘出手術を受けたあとには有効ですが、経過観察やその後の放射線治療、小線源治療、ホルモン投与の場合は必要ありません。この検査は手術室のある病院で可能で、0.001 ng/ml単位まで測ることができます。
積極的な監視療法とは
この選択肢は合併症や他の根本的介入を避けることができるため、病気のリスクの低い人達に有効であり、報告された一連の調査によるとただちに根治治療を行った人と、監視療法を行った人の間で死亡率に差はありませんでした。報告 された一連の調査によると、監視療法中の25~50%の男性はPSAdt が3年以下になったのを基準に根治治療を行うこととなり、生検のために採取されるサンプルのグレードや数は繰り返すごとに増えていきます。
監視療法は患者に定期的にPSA血液検査とDRE直腸指診を行うことが含まれています。多くの病院では、これに加えて経直腸的超音波断層法を毎年一回、PSAdtが3年以上となってからは3年ごとに行います。MRIは監視療法の一貫としてさらに頻繁に行われるようになってきており、根治治療を行う必要のある若い男性やの体力のある男性に進行が認められた場合に必要とされます。監視療法を開始する判断は患者の年齢、並存する疾患、下部尿路症状によります。監視療法を薦められた男性の傾向として以下の点が挙げられます。
- 早期ステージ (T1または T2b)
- 無痛前立腺がん (グリーソン分類6、3+4の一部、まれに4+3)
- PSAが低く、測定が可能であれば長いPSAdt
- 組織学的検査での陽性サンプルの割合が低い
経過観察とは?
監査療法と似ていますが、根治(治癒的)介入の対象でない患者に摘要されます。
経過観察中の人達は観察や断続的にホルモン療法を行うことで何年も生存することができるといわれています。この場合、PSAが上がりはじめたときにホルモン療法を始めることとなります。
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